Liner Notes - 畑澤聖悟全仕事




畑澤聖悟全仕事 ラジオドラマ篇
※1993年にスタートした『卍の城物語』の脚本を担当することになった畑澤は、その後、RAB青森放送のラジオドラマを数多く執筆、演出、ときには出演もしている。エンターテインメント性の強い『県立戦隊アオモレンジャー』から、文芸色の濃い『シュウさんと修ちゃんと風の列車』に至るまでその芸域は果てしなく広い。これらの放送現場での経験が『俺の屍を越えていけ』に結実したのは、誰の目にも明らかである。


1 ○連続もの


卍の城物語

【あらすじ】
津軽為信の津軽統一から弘前城誕生までを描く痛快時代劇。「卍」は津軽藩の馬印。すなわち卍の城とは、津軽藩の居城、弘前城のことである。

【解説】
1993年10月に、平日(月〜金)午前中のレギュラー番組として放送を開始
連続ラジオドラマ『卍の城物語』は、自社制作番組の中で最長記録を更新し続ける長寿番組である。2009年11月27日放送分が第3172話。番外編、スペシャルも合わせると4000回を優に超える。原作は、94〜96年に陸奥新報紙に連載された知坂元(ちさか・げん)の漫画。歴史通の畑澤らしく、原作が網羅していない時代を舞台に独自のユニークな展開が繰り広げられている。朗読は大竹辰也氏が担当。


紅お玉の冒険〜母を訪ねて青森県

【あらすじ】
お玉は紅玉(リンゴの品種)の女の子。マメコバチのマメ次郎をお供に、まだ見ぬ母を探して青森県を旅するのであった。なわち卍の城とは、津軽藩の居城、弘前城のことである。

【解説】
青森放送の人気番組「あおもりTODAY 月曜ラジオバザール」のコーナーとして1998年から1999年に掛けて放送された。全50話。パソーナリティの麻生詩織が主役のお玉を演じ、主題歌(作詞は畑澤)も歌った。


2 ○アオモレンジャーシリーズ


県立戦隊アオモレンジャー

【あらすじ】
県立戦隊とは日本の農林水産業の支配を企む悪の秘密結社「NOKIO」の手から青森県を防衛すべく組織された秘密組織である。本部(青森市三内丸山遺跡の地下)と四つの支部(弘前、八戸、むつ、木造)からえり選った精鋭部隊が「アオモレンジャー」である。
  1. リンゴレッド 本名、津軽浩光。津軽支部所属。アオモレンジャーのリーダー。額のエンブレムはリンゴ。必殺技は「リンゴ10万発」。10万個のリンゴを毎秒100個、敵に投げつける
  2. ホタテピンク 本名、善知鳥啓美。青森本部所属。額のエンブレムはホタテ。必殺技は「ホタテブーメラン」。直径1メートルの巨大なホタテ貝をブーメランよろしく投げつける。
  3. イカブルー 本名、南部雄介。三八支部所属。額のエンブレムはイカ。必殺技は「イカスミシャワー」。毎秒18リットルのイカスミを指先から噴出する。
  4. シャコイエロー 本名、木造啓太。西北五支部所属。額のエンブレムは遮光器土偶。必殺技は「地吹雪ハリケーン」。風速50メートルの地吹雪をおこし、敵を凍死させる。
  5. イタコブラック 本名、陸奥みき。下北支部所属。額のエンブレムはひとだま。本業はイタコ。メンバーのお母さん、いや、おばあさん的存在である。必殺技は「イタコ説教」。敵の肉親の霊を呼び出して説教させる。
【解説】
RAB制作のラジオ番組「金曜ワラッターMOTEMOTE大放送」枠内にて、1997年から1999年に渡って不定期に制作・放送されてたラジオドラマシリーズ(全7話)。テレビヒーロー番組のフォーマットを借りた、青森県の若いリスナーたちに対する「愛県心啓蒙ドラマ」である。畑澤は脚本(数本を除く)、演出、出演、主題歌を担当。ラジオドラマであるが、着ぐるみも製作され、各種イベントで活躍した。ローカルヒーローの嚆矢として評価が高く、ファン製作のサイトが多数存在するなどいまだに根強い人気を誇っている。

【各話紹介】

1997.08 第壱話『アオモレンジャー誕生!陸奥湾に吠えるナマハゲ』
観光客で賑わう青森観光物産館「アスパム」が、突如ナマハゲの大群に襲われる。
NOKIO秋田支部の放った刺客である。アオモレンジャーは「整備新幹線バズーカ」や巨大ロボット「タムラマロ」を駆使して、見事ナマハゲを撃退する。

1997.11 第弐話『蕪島わんこそば対決!逆襲の銀河鉄道』
県南の中心都市八戸をNOKIO岩手支部の「わんこそば男」が襲う。罪のない青森県民が次々と、わんこそばを詰め込まれ倒れていく。アオモレンジャーはわんこそば男の操る「賢治ロボ」「銀河鉄道」に対抗し、「太宰ロボ」を出動させる。そして太宰ロボの最終兵器「スーパー入水心中」が炸裂するのだった。

1997.12 第参話『フルーツ王国の野望!逆転のジングルベル』
日本一のリンゴ産地、弘前市がNOKIO山形支部の「フルーツ大王」に襲われる。山形県はサクランボや洋梨が日本一で「フルーツ王国」異名をとりながら、リンゴだけは青森県に敵わない。その意趣返しである。アオモレンジャーはフルーツ大王の繰り出す「王将ロボ」を太宰ロボの「スーパー入水心中」で撃退しようとするが失敗。その窮地を救ったのは岩崎村サンタランドのサンタさんであった。

1998.02 第四話『東北を制覇する日!さらばイカブルー』
NOKIO福島支部の「会津磐梯山男」を倒したアオモレンジャー。しかし休む間もなく東北自動車道を謎の巨大七夕飾りが北上してきた。NOKIO宮城支部が放った自走爆弾である。アオモレンジャーは県都青森での爆発を阻止せんと青森ICにて迎撃。太宰ロボの「スーパー入水心中」で、七夕爆弾を殲滅する。これで東北制覇である。しかし新たな敵が北からやってくる。NOKIO北海道支部「ホッカイレンジャー」の毛ガニレッドである。イカブルー、南部ユウスケがその凶刃に倒れた。

1998.02 全国放送版『県立戦隊アオモレンジャー』
第壱話『アオモレンジャー誕生!陸奥湾に吠えるナマハゲ』を6分に短縮して再収録。

【受賞】
1998年 地方民間放送共同制作評議会「ずらっと全国大走査線」最優秀賞

1998.04 第伍話『青森県最大の危機!ホッカイレンジャー登場』
アオモレンジャー基地がホッカイレンジャーの襲撃を受ける。圧倒的なパワーで破壊の限りを尽くす毛ガニレッド、アバシリブルー、マリモグリーン、シャケシルバー、ヒグマブラウンの5人。4人になったアオモレンジャーは対抗する術もなく後退する一方。県立戦隊長官八甲田和夫はついに基地の放棄を決断する。自爆する基地から飛び立つ超巨大飛行戦艦「デッタラー」。ホッカイレンジャーは瓦礫の下になったはずである。しかし戦士達は上空より、津軽海峡が流氷で埋まっていることを知り愕然とする。地続きになった北海道から渡ってくる、ヒグマの、キタキツネの、屯田兵の群。北海道の侵略は始まったばかりなのであった。

1998.06 第六話『捨て身の愛県心!決戦のスタジアム』
ホッカイレンジャーの目的は青森県の北海道化であった。かくして十和田湖の水面をマリモが埋め、国道4号を牛の群が闊歩し、新井田川を鮭が遡上し、弘前城の天守閣は時計台になった。更にホッカイレンジャーは塩ジャケやバターなどの北海道名物を使い、青森県民の洗脳に乗り出す。「うまいっしょ」などの北海道弁を喋り始める人々。県民の愛県心そのものをエネルギーとしていたアオモレンジャーは深刻な打撃を受ける。4人のパワーは半減。そんな折り、ホッカイレンジャーから挑戦状が届く。青森県総合公園のスタジアムに来い。最後の決着をつけようと。アオモレンジャーの4人は決死の覚悟でスタジアムに向かうのであった。

1998.07 第七話『アオモレンジャー万歳!青森県黄金の夜明け』
決戦のスタジアム。ホッカイレンジャーの猛攻の前にアオモレンジャーは為す術もない。イタコブラックが、シャコイエローが、ホタテピンクが倒された。しかし、一人残ったリンゴレッドに奇跡が起こる。県立戦隊の留守部隊が飛行戦艦デッタラーで青森の汁(主成分はリンゴジュース)を全県域に散布し、150万県民の洗脳が解けたのである。県民の目覚めた愛県心がリンゴレッドに集中し、リンゴレッドは巨大化、「リンゴゴールド」への変身を遂げる。ホッカイレンジャーの秘密兵器「クラークロボ」も敵ではない。巨大な青森県地図で斬り付ける「青森のマサカリ(無論、下北半島が刃の部分)」が炸裂し、ホッカイレンジャーは全滅する。

1999.9 『県立戦隊アオモレンジャーfirst』
第壱話『アオモレンジャー誕生!陸奥湾に吠えるナマハゲ』と第弐話『蕪島わんこそば対決!逆襲の銀河鉄道』の内容を再構成・再収録した。更に前後に「アオモレンジャー外伝、青森の星☆シャシネンジャー」をふくむアオモレンジャーシリーズの3年に渡る歩みを振り返るトークを付加した。

【出版・雑誌掲載】
2006年上梓した『アウガで会うが?』(共著:工藤千夏、出版:ぷりずむ)に全テキストが掲載されている。

【受賞】
1999年 平成11年度日本民間放送連盟賞ラジオ娯楽番組部門最優秀賞

【舞台化】
2008.12 なべげんラジオドラマリーディングシリーズ1/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2009.05 なべげんラジオドラマリーディングシリーズ1/ザ・スズナリ<東京>


青森の星☆シャシネンジャー

【あらすじ】
青森市内のミニコミ誌「月刊はにわ」の記者、古坂ひば夫と名古屋からやってきた風来坊、小島海猫は新幹線に牽かれそうになったお婆さんを助けようとして命を落とす。その様をアオモリ星の警察官ワイ・ハーが見ていた。ワイ・ハーは、犯罪者であるダスケ・マイネを地球まで追ってきたのである。二人の勇気に感動したワイ・ハーは自分の命を二人に与える。かくして、古坂と小島の二人は復活。シャシネンジャー・ダイとシャシネンジャー・ショウとして新たな生を受け、青森県の平和のために戦うのである。

【解説】
RAB制作のラジオ番組「金曜ワラッターMOTEMOTE大放送」枠内にて、2000年より放送された。主役の2人をお笑いコンビの底ぬけAIR-LINEが演じ、話題を集めた。アオモレンジャーの後番組。後半からアオモレンジャーのメンバーが登場し、セカンドシリーズへの橋渡しとなった。畑澤は脚本(3話を除く)、演出、出演、主題歌を担当。

【各話紹介】
第1話『新幹線が来たぞ』
第2話『自由な女神の逆襲』
第3話『買物天国 駅から1分』(脚本/今野仁)
第4話『雪道注意 冬のねぶた』
第5話『背水の世界遺産 シャシネンジャーvsアオモレンジャー』
第6話『大間越 特大の夕日』
第7話『激闘のスタジアム ジョーモンズ対シャシネーズ』
第8話『刻印された過去 15回裏のカタストロフ』
第9話『シャシネンジャー最後の戦い 天駆ける霊峰岩木』
最終話『さらばシャシネンジャー 成層圏から愛をこめて』


県立戦隊アオモレンジャー セカンドシリーズ

【あらすじ】
シャシネンジャーの最終話で変身能力を失ったひば夫と海猫を加え、アオモレンジャーは復活した。今回の相手は最強の敵、関東である。

【解説】
RAB制作のラジオ番組「金曜ワラッターMOTEMOTE大放送」枠内にて、2000年より放送された。畑澤は脚本(1〜2話)、演出、出演、主題歌を担当。

【各話紹介】
第壱話『復活アオモレンジャー ねばる八戸駅・前編』
第弐話『復活アオモレンジャー ねばる八戸駅・後編』
第参話『みんな大好き 戦慄のネズミーパレード』(脚本/今野仁)
第四話『亡国のアミューズメントパーク 東京ネズミーパレード』(脚本/今野仁)
第伍話『サーフィンin青森市 新町通りに夕日が沈む』(脚本/今野仁)
第六話『震える大地 響け!魂の歌声』(脚本/今野仁)
第七話『アオモレンジャー解散!? 狙われた愛県心』(脚本/今野仁)
最終話『大団円! 嗚呼、華の都は遠くにありて』(脚本/今野仁)


3 ○文化庁芸術祭参加作品


シュウさんと修ちゃんと風の列車

【あらすじ】
青森駅を出て市街地を抜けた東北本線は、浅虫温泉、西平内、小湊、清水川……ウトウトしていた少女の前に現れたのは、「シュウさん」「修ちゃん」と名乗る男たち。そして、次々と現れる、この世にいないはずの人々。風の列車の中で少女は何を見つけるのだろうか。

【解説】
1999年制作。畑澤は脚本、演出を担当。芸術祭初挑戦で大賞の栄冠を獲得。畑澤はこれにより「ギャラクシー」「民放連」「芸術祭」の主要放送コンテスト3冠を達成した。

【出版・雑誌掲載】
テレビドラマ代表作選集2000年版(日本脚本家連盟)

【舞台化】
2005年、劇団昴によりドラマリーディングとして舞台化された。舞台収録のDVDも同劇団で販売されている。

【受賞】
2000年 平成11年度文化庁芸術祭大賞

舞台化
2008.12 なべげんラジオドラマリーディングシリーズ1/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2009.05 なべげんラジオドラマリーディングシリーズ1/ザ・スズナリ<東京>


2001年の三段ドロップ

【あらすじ】
青森市にある青森県立賽河(さいのかわ)高等学校。この高校の野球部はここ数年地区大会でも一勝すらできない弱小チームである。ある日この野球部に新しいコーチがやってきた。盲目の老婆、イタコである。驚き戸惑う野球部員をよそに老婆はボールもバットも使わない不思議な特訓をはじめた・・・。

【解説】
2000年制作。畑澤は脚本、演出、出演を担当。

【受賞】
2001年 平成12年度文化庁芸術祭参加
2001年 放送文化基金賞ラジオ番組賞


カスミカクモカ

【あらすじ】
4月下旬。青森市内にある老人ホームの花見大会。入所者の栄一は隣のテーブルに着いた車イスの老婆に愕然とする。まさ子。外見は変わり果てているが、見間違うはずはない。実に56年ぶりの再会であった。鹿児島県鹿屋基地で特攻隊員として迎えた18歳の夏を栄一は思い出す…。

【解説】
2001年制作。畑澤は脚本、演出を担当。

【受賞】
2002年 平成13年度文化庁芸術祭参加


五月の空に子守歌

【あらすじ】
さつきは27歳の独身女性。高校卒業以来東京暮らしを続けていた彼女は8年ぶりに故郷青森に帰ってくる。子供の頃遊んだ懐かしい裏山を歩くうち、不思議な幼稚園に紛れ込んだ。職員は園長の老婆・シメと、保母の鞠子の二人だけ。通ってくるのは飢饉で「間引き」されて死んだ子供、餓死した浮浪児、虐待で死んだ子供たち。「現世」に戻れなくなったさつきは母親から虐待を受けていた自分の少女時代と向き合うのであった。

【解説】
2003年制作。畑澤は脚本、演出を担当。

【受賞】
2004年 平成15年度文化庁芸術祭参加
2004年 日本民間連盟賞ラジオエンターテイメント部門優秀賞


4 ○公開ラジオドラマ


まんずまんず物語〜為信のクリスマス

【あらすじ】
時は戦国末期。津軽統一を成し遂げた津軽為信のもとに、娘の夕紀姫が帰ってくる。江戸暮らしが長い夕紀姫は都会の色にすっかり染まっており、為信を失望させる。12月25日だからバテレンの祭りである「クリスマス」を祝おうなどと言い出す始末である。ちょっとまて、娘よ。お前がそんなに浮かれていられるのも、わしが死にものぐるいで戦場を駆け巡ったからなのだぞ。30数年前の最初の戦、そして所領安堵の朱印状を貰うための決死の航海。為信は自分の辿ってきた苦難の日々を語りはじめる。

【解説】
青森放送主催のチャリティイベント「かっぺいとおかしな仲間ッin弘前」のコーナーとして1997年12月、弘前市文化会館にて上演された(同月、ラジオチャリティミュージックソンの枠内でオンエア)。効果音は音遊びの会代表の高野昌昭氏が数々の「音具」を駆使して生演奏した。出演者(イベントのゲストが務める)のドラマリーディングと生音の効果音を組み合わせるスタイルは今後も継承された。畑澤は脚本を担当。

【受賞】
1998年 放送批評懇談会ギャラクシー大賞ラジオ部門最優秀賞


唄に夜明けたカモメの港

【あらすじ】
「♪唄に夜明けたカモメの港」の歌い出しで知られる「八戸小唄」ができるまでの物語を虚実織り交ぜて描く。

【解説】
青森放送主催のチャリティイベント「かっぺいとおかしな仲間ッin八戸」のコーナーとして1998年12月、八戸市公会堂にて上演された(同月、ラジオチャリティミュージックソンの枠内でオンエア)。畑澤は脚本を担当。


廃藩置県再三事件簿

【あらすじ】
時は明治4年。明治政府により実施された廃藩置県により、6つの藩が合体した「弘前縣」が誕生する。よろこびに湧く弘前市の職員たち。彼らはもと津軽藩士である。しかし、喜んでばかりもいられない。弘前に県庁があることを快く思わない旧南部藩士の連中が暗躍しているらしいのだ・・・。

【解説】
青森放送主催のチャリティイベント「かっぺいとおかしな仲間ッin八戸」のコーナーとして1999年11月、弘前市文化会館にて上演された(翌月、ラジオチャリティミュージックソンの枠内でオンエア)。畑澤は脚本を担当。


もうひとつの虫送り

【あらすじ】
五所川原市に今も伝わる伝統行事「虫送り」の由来を虚実織り交ぜて描く。

【解説】
青森放送主催のチャリティイベント「かっぺいとおかしな仲間ッin五所川原」のコーナーとして2000年11月、五所川原市オルテンシアにて上演された(翌月、ラジオチャリティミュージックソンの枠内でオンエア)。畑澤は脚本を担当。

【受賞】
2001年 日本民間放送連盟賞ラジオ教養番組部門優秀賞


ひとつ積んでは我のため

【あらすじ】
むつ市内に事務所を構える中年の男性イタコ。金が全てのインチキ商売を続けている。ある日、捜し人の依頼が舞い込む。依頼人は30年前に生き別れた妹であった・・・。

【解説】
青森放送主催のチャリティイベント「かっぺいとおかしな仲間ッinむつ」のコーナーとして2001年11月、下北文化会館にて上演された(翌月、ラジオチャリティミュージックソンの枠内でオンエア)。畑澤は脚本を担当。

【受賞】
2002年 日本民間放送連盟賞ラジオエンターテイメント部門優秀賞


縄文のいかさま師

【あらすじ】
世界遺産白神山地の奥に縄文人が住んでいた。彼らは文明に触れることなく縄文の暮らしをひっそりと続けていたのである。さあビジネスチャンス!縄文の村に商人たちが殺到する。

【解説】
青森放送主催のチャリティイベント「かっぺいとおかしな仲間ッinあおもり」のコーナーとして2002年11月、青森市文化会館にて上演された(翌月、ラジオチャリティミュージックソンの枠内でオンエア)。畑澤は脚本を担当。

【受賞】
2003年 日本民間放送連盟賞ラジオエンターテイメント部門優秀賞


5○生ラジオドラマ


OVER THE RAINBOW

【あらすじ】
稲川ヘイゾーは地方局のラジオタレント。かつてDJとして一世を風靡した彼も、中高生のラジオ離れと共に次第に忘れられていった。今、彼が持っている番組は週に一度、深夜3時から1時間放送する「電リクミッドナイト」1本である。ハガキも来ない、電話も掛かってこない。番組中に読まれるリクエストはすべてアルバイトのスタッフが書いたものである。ヘイゾーは番組の降板を決意するが、この日のオンエア中、来ないはずのリクエスト電話が鳴った…。

【解説】
1997年12月25日午前3時より放送。25時間のマラソン企画「RABチャリティミュージックソン」の1コーナーとして企画された。生ラジオドラマ。すなわち、生放送によるラジオドラマである。全国各地の視力障害者とスタジオを生電話で繋ぐセミドキュメンタリーの手法が高く評価された。2001年、出演者を一部変更してリメイクされている。

【受賞】
1997年 放送批評懇談会ギャラクシー大賞ラジオ部門優秀賞


汽笛が聖なる夜に降る

【あらすじ】
稲川ヘイゾーは唯一の持ち番組「電リクミッドナイト」のパーソナリティを続けていた。しかしこの日のオンエア中、2年ぶりのリクエスト電話が鳴る。「息子が家出した」と訴えてくる中年の女性。ヘイゾーは番組の予定を変更し、家出少年の捜索を番組で呼びかける。やがてヘイゾーは家出少年が、35年前の自分であることで気づくのだった・・・。

【解説】
1999年12月25日午前3時より放送。25時間のマラソン企画「RABチャリティミュージックソン」の1コーナーとして企画された。1997年の「OVER THE RAINBOW」に続く生ラジオドラマ。「OVER THE RAINBOW」の続編の形態をとるが、「シュウさんと修ちゃんと風の列車」の作品世界も引き継いでいる。


2050年のクリスマス

【あらすじ】
大都会。蟻の巣のように入り組んだ地下鉄の路線に盲腸のようにできた空間がある。ひとりふたりと人々が集まってくる。クリスマス禁止令が発令されて45年経った2050年。ヘイゾー率いるクリスマス解放戦線のメンバーが、失われたクリスマスを命がけで祝おうというのである…。

【解説】
2002年12月25日午前3時より放送。25時間のマラソン企画「RABチャリティミュージックソン」の1コーナーとして企画された。


聖なる夜の5人

【あらすじ】
ある大学の推薦入試の会場。合格ラインに残った5人に、「私を感動させたら全員合格」と担当教授が言い放つ。制限時間は30分。密室のはずの教室に、なぜか6人目の受験生が現れて……果たして、彼らは教授を感動させることができるのか?

【解説】
2003年12月25日午前3時より放送。25時間のマラソン企画「RABチャリティミュージックソン」の1コーナーとして企画された。青森中央高校の作品「推薦の王者」(2000年)のラジオドラマ版。