Liner Notes - 畑澤聖悟全仕事




召命[しょうめい]

【あらすじ】
近未来。拘束力を失った文部省は、学校における「校長」の職を教職員の互選によって選び出す制度を導入。さて、青森県のある公立中学校の校長室。抽選で選ばれた8人は、学年主任、ベテラン国語教員、ニヒルな若手教員、怖いものナシのおばちゃん教員、新採用の女子教員、高校を卒業して間もない校務員、養護教員、社会人特別雇用制度適応の期間限定教員。前校長の死去に伴う新校長の役選に向けて、議論は伯仲していくが……。

【解説】
俳優として弘前劇場の舞台に立っていた畑澤が劇作家、演出家として踏み出した記念すべき第一作。『俺の屍を越えていけ』『生徒総会06』などで、くり返し問いかけられるテーマ「多数決は絶対か」の原形がここにある。

【上演歴】
2000.01 弘前劇場公演/こまばアゴラ劇場(第12回大世紀末演劇展参加)<東京>
2000.01 弘前劇場公演/スタジオ・デネガ<弘前>
2007.09 劇団昴ザ・サード・ステージLABO公演Vol.1 演出:河田園子(演劇企画JOMO)/鎌田演劇工場<東京>

【出版・雑誌掲載】
「せりふの時代」2000年春号(小学館)



定礎[ていそ]

【あらすじ】
この時代、「権利義務に関する当事者同士の紛争解決における法律」、通称「勝負法」が制定されている。当事者同士の合意があれば当事者同士または代理の者によっておこなわれる競技の勝敗で事の是非を決定してよい。まさしく民事の切り札。「民事訴訟法」を越える法律である。さて、コーポレス川上1号室。アパート取り壊しを理由に住民の立ち退きを求める大家側と、それに反対する入居者との「百人一首」による勝負が今まさに行われようとしている……。

【解説】
大家と店子の紛争も百人一首もほのかな恋慕も、すべて果たし合いの観点でとらえてしまうのは、格闘技好きの畑澤ならではの発想か。かなり強引な展開ではあるが、それが逆に、若さとエネルギーを感じさせる。

【上演歴】
2001.01 弘前劇場公演/青森Quarter<青森>
2001.01 弘前劇場公演/スタジオ・デネガ<弘前>



月と牛の耳[つきとうしのみみ]

【あらすじ】
東北の地方都市にある精神病院。入居者のひとり、加賀谷敏(51)。「鳳凰院赤心拳」館長を務める格闘家である。彼は7年前、日本で猛威を震った「プリオンウイルス脳炎」に感染して入院。快方に向かうも入院中に脳出血に見舞われ、その後遺症により順行性健忘症となった。知能はそのまま、障害を受ける以前の記憶もそのままだが、新しい物事を記憶することが全く出来ない。「ホーム」の職員たちは、彼の前では毎日が7年前、即ち1994年の4月25日であるかのように振る舞っている。その日は、加賀谷の長女が婚約者を連れて父を見舞いに来る筈の日なのだった……。

【解説】
順行性健忘症という精神病と、猛牛と戦ったという伝説を持つ極真空手の創始者・大山倍達をモデルにした格闘家の組み合わせ、そして、最後にほろりとさせる展開は、まさに畑澤聖悟の真骨頂である。

【上演歴】
2001.06 弘前劇場公演/スタジオ・デネガ<弘前>
2001.06 弘前劇場公演/ザ・スズナリ<東京>
2001.05 弘前劇場公演/アウガ5階AV多機能ホール<青森>

【畑澤以外の演出による上演】
2006.01 いるかHotle第10回記念公演 演出:谷省吾/HEP HALL<大坂>
2006.12 いるかHotle第11回公演 演出:谷省吾/王子小劇場<東京> 「王子トリビュート001畑澤聖悟」参加

【受賞】
シアターガイド月刊ベストテン脚本部門第1位



俺の屍を越えていけ[おれのかばねをこえていけ]

【あらすじ】
青森市に本社を置く老舗の放送局。小会議室に、各部から選抜された6人の社員が集められた。いずれも入社5年以内の若手である。彼らは社長より密命を与えられていた。「リストラする管理職を1名、若手社員の代表による話し合いで決定しなさい」それぞれの思惑が交錯する中、6人は気の重い話し合いをはじめるのであった……。

【解説】
畑澤得意の密室会議もの。笑いのうちに、仕事、会社、多数決、ひいては民主主義の是非まで深く考えさせられる。この作品の短編バージョンは、日本劇作家大会2005熊本大会・短編戯曲コンクール最優秀賞を受賞している。

【上演歴】
2002.04 弘前劇場公演若手アトリエ公演/浪岡現代美術空間<浪岡>
2003.02 弘前劇場公演/スタジオ・デネガ<弘前>
2003.03 弘前劇場公演/せんだい演劇工房10-BOX<仙台>
2003.03 弘前劇場公演/こまばアゴラ劇場<東京>
2003.03 弘前劇場公演/相鉄本多劇場(横浜アートライブ2003)<横浜>
2005.11 渡辺源四郎商店開店準備公演/空間実験室<青森>
2005.11 渡辺源四郎商店開店準備公演/アトリエ春風舎<東京>
2007.09 渡辺源四郎商店第5回公演 アトリエ1007<青森>
2007.10 平成19年秋田県SI推進プラン事業 大館高校体育館<大館>

【畑澤以外の演出による上演】
2005.11 青年団若手自主企画26 短編バージョン・リーディング 演出:工藤千夏(青年団演出部)/アトリエ春風舎<東京>
2006.11 劇団行動座公演 演出:高橋修二/行動座アトリエ<川崎>
2006.12 王子小劇場プロデュース公演 演出:黒澤世莉(時間堂)/王子小劇場<東京>「王子トリビュート001畑澤聖悟」参加
2009.03 劇団クロニクル第22回公演 演出:柳雅之/新居浜市市民文化センター<新居浜>
2009.04 劇団クロニクル第22回公演 演出:柳雅之/銀天街おいでんか4FアトリエTNE<松山>
2009.10 クロカミショウネン18 演出:野坂実/@Heiz銀座<東京>

【出版・雑誌掲載】
2005年日本劇作家大会短編戯曲コンクール優秀作品集(日本劇作家協会)

【受賞】
日本劇作家大会2005熊本大会・短編戯曲コンクール最優秀賞



月の二階の下[つきのにかいのした]

【あらすじ】
現代。人口30万の小都市。その閑静な住宅地にある、2階建ての家。家主の喜多川ともこは保険の外交員。娘のちづるちづるに異変が起きたのは2ヶ月前から。男のような声でワケのわからぬことを口走り、卑猥な言葉を発し、母を罵倒するようになった。医師はちづるを「同一性障害」と診断するが、あらゆる治療は無効。原因はまったく不明。以来、ともこは腕のいい精神科医、カウンセラーの噂を聞きつけては家に招き、診断させ、落胆する、ということを繰り返しているが……。

【解説】
『エクソシスト』を畑澤流に料理すると、こうなる。二階で起こる異変を階下だけで描く手腕も去ることながら、畑澤自身が演じた怪しい宗教家が印象深い。

【上演歴】
2002.07 弘前劇場公演/スタジオ・デネガ<弘前>
2002.08 弘前劇場公演/こまばアゴラ劇場(夏のサミット2002参加)<東京>



今日もいい天気[きょうもいいてんき]

【あらすじ】
青森県津軽地方、小都市の郊外にある一軒の家。そこに男ばかり4人の家族が暮らしている。この家の太陽であった女性は7年前、この世を去った。娘を失い、妻を失い、姉を失い、母を失った4人は、それぞれの喪失を抱えつつ、ひとつ屋根の下で日々を送っている……。

【解説】
残された人間と逝ってしまった人間の関係修復の物語。後に、『夜の行進』や『猫の恋、昂は天にのぼりつめ』につながる、畑澤が「多数決」同様にこだわる、もう一つのテーマといえよう。2009年の再演では家族の年齢を上げ、物語を猫のタマに焦点化した改稿がなされた。

【上演歴】
2003.07 弘前劇場公演/スタジオ・デネガ<弘前>
2003.08 弘前劇場公演/こまばアゴラ劇場(夏のサミット2003参加)<東京>
2009.10 渡辺源四郎商店第10回公演/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2009.11 渡辺源四郎商店第10回公演/こまばアゴラ劇場<東京>



渡辺源四郎の一日[わたなべげんしろうのいちにち]

【あらすじ】
青森市郊外の老人ホーム。76歳の渡辺源四郎が迎えたある一日。高齢者同士や若者同士の恋愛、コンビニエンスストア強盗など、さまざまなエピソードを織り交ぜながら、高齢者と若い職員の交流を描く。

【解説】
青森演劇鑑賞協会の鎌田秀勝プロデューサーが、60歳以上限定オーディションを提案。企画の根幹を成す10名の合格者たちのために、畑澤があて書きをした。『背中から四十分』の執筆、演出と、同時期に平行してこの作品に取り組んだことにより、作家として次のステップを踏み出したと、畑澤自身が振り返ってコメントしている。

【上演歴】
2004.4 青森演劇鑑賞協会プロデュース公演/アウガ5階AV多機能ホール<青森>
2004.6 青森演劇鑑賞協会プロデュース公演/シェルホール<川内>
2004.6 青森演劇鑑賞協会プロデュース公演/プラザおでって<盛岡>
2004.6 青森演劇鑑賞協会プロデュース公演/八戸市公会堂<八戸>



背中から四十分[せなかからよんじっぷん]

【あらすじ】
東北地方の場末の温泉地。海沿いの崖に建つ八階建てホテルの最上階。フロント係に案内されて一人の中年男、相本がツインルームに入ってくる。相本が真夜中にもかかわらず半ば強引にマッサージ師を呼びつけると、やってきた女性マッサージ師、せつこはいわくありげ。二人っきりの部屋で、シングル40分のマッサージサービスが始まる。交わされる他愛のない会話とマッサージで、相本の身体と心が少しずつ解け始める。その時、不意に鳴る待ち人からの携帯電話。相本の危機、せつこの事情が明かされていく……。

【解説】
劇中のオイルマッサージは、道行であり、心中の前段階のある種の情交といえる。しかし、畑澤の描く世界が歌舞伎で描かれる道行や心中ものと大きく異なるのは、決して死という帰着を美化することなく、最悪の状況にある二人の人間が互いを癒すことで、ほんの少しだけ救われる「癒しの円環」に主眼が置かれていることである。

【上演歴】
2004.05 弘前劇場公演/スタジオ・デネガ<弘前>
2004.06 弘前劇場公演/麻布 die pratze<東京>
2006.09 渡辺源四郎商店第2回公演/こまばアゴラ劇場<東京>
2006.10 渡辺源四郎商店第2回公演/アトリエ1007<青森>
2006.10 渡辺源四郎商店第2回公演/北九州芸術劇場小劇場<北九州>第14回北九州演劇祭参加

【畑澤以外の演出による上演】
2004.11 劇団昂リーディング公演 演出:河田園子/劇団昂アトリエ<東京>
2005.10 劇団行動座第66回公演(『トイレはこちらから』作:別役実、演出:青木建一郎と同時上演) 演出:高橋修二/行動座アトリエ<川崎>
2006.01 いるかHotle第10回記念公演 演出:谷省吾/HEP HALL<大坂>
2006.06 劇団福井青年劇場第64回公演 演出:松並雅也/福井青年劇場<福井>
2006.07 文学座有志による自主企画公演 演出:中野志朗/サイスタジオコモネAスタジオ<東京>
2006.12 シアターアーツジャパン・リーディングシリーズVOL.2 "40 Mintues from the Back"上演 演出:工藤千夏/Taipei Cultural Center of TECO<NY>
2008.06 ミナトノヨーコプレゼンツ 演出:ミナトノヨーコ/イカロスの森<神戸>
2008.11 インターナショナル・イースト・アジアン・プレイリーディング・フェスティバル「THYPHOON 5」/Soho Theatre(LONDON)

【出版・雑誌掲載】
悲劇喜劇2004年10月号(早川書房)
HALF A CENTURY OF JAPANESE THEATER 1990s PART4(英訳版"Forty Minutes from the Back")
(日本劇作家協会編)



ケンちゃんの贈りもの[けんちゃんのおくりもの]

【あらすじ】
7月。青森県青森市の郊外。築30年の家に住む79歳の父と49歳の娘婿。二人は、娘が急逝した後、世の中から取り残されたような二人暮らしをしている。父の誕生日、ささやかなパーティの準備が進む。子は言った。「ワからプレゼントあるんだけどさ」父は答える。「なんだば、そりゃ。ワからも、プレゼントあるんだばって」そして見知らぬ女性がひとり、現れるのであった……。

【解説】
弘前劇場在籍中に発表した最後の作品。『渡辺源四郎の一日』で渡辺源四郎を演じた宮越昭司氏(劇団雪の会:79歳)は、この作品への客演で2005年えんぺ大賞(新人男優)にノミネートされている。史上最高齢であることは間違いない。

【上演歴】
2005.05 弘前劇場公演/スタジオ・デネガ<弘前>
2005.07 弘前劇場公演/青森クォーター<青森>
2005.07 弘前劇場公演/こまばアゴラ劇場<東京>



夜の行進[よるのこうしん]

【あらすじ】
青森市郊外にある一軒の家。カミサマと呼ばれ、地域で頼りにされている祈祷師の老婆。ある日、隣家に住み、長く親交のある老爺が亡妻を「ホトケオロシ」で呼んでほしいと依頼する。腎臓を患うも透析拒否、早く死んで亡妻に元へ行きたいというのである。老婆は彼の命を救うため、ある作戦を実行に移すが・・・。

【解説】
渡辺源四郎商店旗揚げ以来、初の書き下ろし作品。老婆を演じた久保りつは73歳。79歳の宮越とのコンビは実年齢での出演。演技力を越えた存在感が高く評価された。

【上演歴】
2006.02 渡辺源四郎商店開店公演/青森クォーター<青森>
2006.02 渡辺源四郎商店開店公演/こまばアゴラ劇場<東京>
2006.04 渡辺源四郎商店開店公演(追加公演)/シアターZOO<札幌>

【出版・雑誌掲載】
悲劇喜劇2006年8月号(早川書房)



猫の恋、昂は天にのぼりつめ[ねこのこい、すばるはてんにのぼりつめ]

【あらすじ】
さくら、43歳、独身。正ちゃん、15歳、猫。父が失踪して以来、さくらは父が残した家で老猫と父を待ち続けている。そんなさくらに縁談が……さくらを見守る老猫正ちゃん。さくらに遅咲きの春は巡り来るのか?

【解説】
新劇の老舗、劇団昂からの委嘱、初の他劇団への書き下ろし作品でもある。名優・西本裕行氏を得て、ファンタジックな世界が下町の人情と父子の情愛のリアリズムを獲得した。プロデュースを担当した劇団昂の磯辺万沙子氏により、同様に招かれた青年座所属の演出家・黒岩亮氏との出会いの場ともなった。

【畑澤以外の演出による上演】
2006.07 劇団昂ザ・サード・ステージ第27回公演 演出:黒岩亮/三百人劇場<東京>
2010.01 あきた演劇フェスティバル 演出/富橋信孝/秋田市文化会館<秋田>



素振り[すぶり]

【あらすじ】
人生はいつも素振り!?永遠に続く自己鍛練のその先に はたして何が見えるのか─。
野球、剣道……オムニバス・ドラマの枠を越えて、畑澤世界独特のユーモアと人情が炸裂する。

【解説】
06年度、劇場拠点創造プロジェクト『「劇空間」セルフ・ビルド120日間の挑戦』(劇空間へのリフォーム・舞台美術の作成・舞台設営・上演という各プロセスにおけるWSと作業)で蓄積されたノウハウを元に、新しい芝居創りに踏み出したのが、この作品。自分たちで作り上げた、しかも、実際に公演を打つスペースでエチュードを積み重ね、そこから畑澤が発想した世界を戯曲に再構築する。

【上演歴】
2006.12 渡辺源四郎商店第3回公演/アトリエ1007<青森>
2006.12 渡辺源四郎商店第3回公演・「第4回北の演劇祭」招聘公演/康楽館<秋田>
2007.01 渡辺源四郎商店第3回公演・王子トリビュート001 畑澤聖悟/王子小劇場<東京>



小泊の長い夏[こどまりのながいなつ]

【あらすじ】
地球温暖化の進む20XX年。青森県小泊(こどまり)にある大照神社(おおてるじんじゃ)に暮らす老宮司の元に、行方知れずの息子が30年ぶりに帰ってきた・・・・。

【解説】
キャスト11人、渡辺源四郎商店始まって以来の大人数の出演者が登場する。疑似家族を演じる寄せ集めの他人が影響し合い、やがて本当の自分の生活に向き合っていく様が笑いのうちに描かれる。温暖化によりバナナ産地となった青森県。トウキョウ者を差別する津軽人の姿は『県立戦隊アオモレンジャー』で筆をふるった畑澤の真骨頂。

【上演歴】
2007.06 渡辺源四郎商店第4回公演 アトリエ1007<青森>
2007.07 渡辺源四郎商店第4回公演 ザ・スズナリ<東京>



修学旅行(青年劇場版)[しゅうがくりょこう(せいねんげきじょうばん)]

【あらすじ】
「あの時代」の記憶と、「この時代」の現実が、重なり合う島、沖縄。この島に昨年も42万人の修学旅行生たちが訪れた。彼らは何と出会えたのか……。(青年劇場チラシより)

【解説】
全国高等学校演劇大会最優秀賞を受賞、絶賛された作品を青年劇場版として改訂、書き下ろし。畑澤がこのバージョンのために沖縄で取材、体感した沖縄色を加味した。沖縄戦の体験者である仲居・トシ子も登場。07年の紀伊國屋ホールにて初演。08年9月の紀伊國屋サザンシアターにて再演が決定している。沖縄をはじめ全国の高等学校の鑑賞教室で07年、08年も巡演が続いている。

【畑澤以外の演出による上演】
2007.04 青年劇場第94回公演 演出:藤井ごう/紀伊國屋ホール<東京>
2008.09 <予定>青年劇場連続公演 演出:藤井ごう/紀伊國屋サザンシアター<東京>
2007〜 全国高校演劇鑑賞教室巡演中



親の顔が見たい[おやのかおがみたい]

【あらすじ】
都内カトリック系私立女子中学校会議室。そこに、集まる数人の父兄達。彼らは、いじめ自殺死した子供の遺書に書かれていた、いじめ加害者の親たちである。それぞれ、年齢も、生活環境も、職業も違う親たちは、身勝手な事情から我が子を庇護する事に終始する。怒号飛び交う会議室。子供達のいじめを通して、それぞれの親たちの「顔」が浮き彫りになる。

【解説】
『猫の恋、昴は天にのぼりつめ』の成功をベースに、劇団昴の磯辺万沙子プロデューサー、演出家の黒岩亮氏と再びタッグを組み、前回とは異なったテイストのシリアス世界に真正面から挑戦した。畑澤が得意とする『召命』、『俺の屍を越えていけ』に代表される会議ものだが、更に深く鋭く人間のエゴイズムをリアルに描き出している。

【畑澤以外の演出による上演】
2008.02 劇団昂ザ・サード・ステージ第28回公演 演出:黒岩亮(劇団青年座)/THEATER/TOPS<東京>
2008.11 劇団福井青年劇場第70回公演 演出:松並雅也/福井青年劇場<福井>
2009.02 (NHKシアター・コレクション)劇団昴 演出:黒岩亮/NHKみんなの広場 ふれあいホール<東京>
2009.04 劇団昴 演出:黒岩亮/シアターサンモール<東京>
2009.06 劇団大阪第66回本公演 演出:熊本一/谷町劇場<大阪>
2009.08 演劇ユニット体温第6回公演 演出:竹元恵美子/南区民文化センター スタジオ<広島>

【出版・雑誌掲載】
悲劇喜劇2008年7月号(早川書房)
「親の顔が見たい」(晩成書房)

【受賞歴】
第12回鶴屋南北戯曲賞ノミネート



動物哀歌[どうぶつあいか]

【解説】
故・村上昭夫の詩集『動物哀歌』をモチーフに、書のライヴパフォーマンス(沢村澄子)、南部民謡のアカペラ(吉田やす子)を大胆に取り入れ、詩の朗読を斬新なパフォーマンスにまで昇華させた画期的なコラボレーション。岩手県を代表する人気俳優・狩野亨、岩手放送の江幡平三郎、そして畑澤聖悟本人の競演も話題を呼び、初演の翌年には岩手県立美術館で再演された。

【上演歴】
2006.05 もりげき八時の芝居小屋第77回八時の芝居小屋プロデュースReading Flash 2006『動物哀歌』詩:村上昭夫、構成・演出:畑澤聖悟/盛岡劇場タウンホール
2007.12 岩手県立美術館主催・「もりげき八時の芝居小屋」出前公演Reading Flash 2007『動物哀歌』詩:村上昭夫、構成・演出:畑澤聖悟/岩手県立美術館グランドギャラリー<盛岡>



ショウジさんの息子[しょうじさんのむすこ]

【あらすじ】
7月。青森県青森市の郊外。築30年の家に住む80歳の父と50歳の娘婿。二人は、娘が急逝した後、世の中から取り残されたような二人暮らしをしている。父の誕生日、ささやかなパーティの準備が進む。子は言った。「ワからプレゼントあるんだけどさ」父は答える。「なんだば、そりゃ。ワからも、プレゼントあるんだばって」そして見知らぬ女性がひとり、現れるのであった。

【解説】
「ケンちゃんの贈りもの」(05年)の改訂版。主人公の職業が高校教諭からローカル芸人になり元相方が登場するなど、設定が大きく異なる。

【上演歴】
2008.05 渡辺源四郎商店第6回公演/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2008.05 渡辺源四郎商店第6回公演/アトリエ春風舎<東京>

【受賞】
Co Rich舞台芸術まつり!2008春グランプリ



修学旅行(渡辺源四郎商店版)[しゅうがくりょこう(わたなべげんしろうしょうてんばん)]

【あらすじ】
「あの時代」の記憶と、「この時代」の現実が、重なり合う島、沖縄。この島に昨年も42万人の修学旅行生たちが訪れた。彼らは何と出会えたのか……。

【解説】
中学生演劇ワークショップ「7日で作る修学旅行」における一般公募の中学生公演と同時に上演され、話題を集めた。マスコミ各社による特集やドキュメンタリーが制作された。

【上演歴】
2008.07 浪岡中学校芸術鑑賞教室/浪岡中学校体育館<青森>
2008.08 渡辺源四郎商店第7回公演/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2008.08 青森演劇鑑賞協会例会/青森市民ホール<青森>



どんとゆけ[どんとゆけ]

【あらすじ】
青森県津軽地方のある町に住む一組の家族が、一人の死刑囚と対面する。「死刑執行員の参加する死刑執行に関する法律」による死刑執行である。加害者と被害者家族、それを取り巻く人々。埋めることの出来ない欠落は、本当に埋めることができないのか。

【解説】
光市母子殺害事件における被害者家族・本村氏の峻烈な応報感情にインスパイアされる。09年に導入される裁判員制度のパロディでもある。「心中物」の「背中から四十分」に続く「仇討物」として、古典における生と死、死とエロスを現代津軽を舞台に再構成する試み。

【上演歴】
2008.09 渡辺源四郎商店第8回公演/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2008.10 渡辺源四郎商店第8回公演/こまばアゴラ劇場<東京>
2009.02 渡辺源四郎商店第8回公演/広島市南区民文化センター<広島>

【テレビ中継】
2009.12 NHKBS2「ミッドナイトステージ館」



3月27日のミニラ[さんがつにじゅうしちにちのみにら]

【あらすじ】
3月下旬。青森市内の公立中学校、今年度最後の出校日。定年退職の校長を送る退任式の当日である。校長室では校長や教頭など関係職員が集まり、式の段取り確認が行われている。と、そこに一人の老人が現れ、「式に参加させてほしい」と言う。困惑する一同。やがて彼の口からかつてこの学校で起きたある事件の秘密が 語られていく。

【解説】
モンスターペアレントがゴジラだったら、息子はやっぱりミニラ?現役の高校教諭でもある畑澤が独特の視点とユーモアで日本の教育現場における倒錯したパワーバランスを描き出した。

【上演歴】
2009.04 渡辺源四郎商店第9回公演/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2009.05 渡辺源四郎商店第9回公演/ザ・スズナリ<東京>
2009.05 渡辺源四郎商店第9回公演/秋田市文化会館小ホール<秋田>

【畑澤以外の演出による上演】
2009.11 劇団BeWhite公演 演出:武田依子/福島県文化センター 小ホール<福島>



河童(渡辺源四郎商店版)[かっぱ(わたなべげんしろうしょうてんばん)]

【あらすじ】
平凡な町の平凡な高校、平凡な教室。一人の可憐な女子高生が突然河童に変身した。どうしてって聞かないで。だって不条理なんだもん。

【解説】
渡辺源四郎商店の若手俳優と、青森中央高校演劇部卒業生および現役生の混合チームによって上演された。中学生演劇ワークショップ「7日で作る河童」における一般公募の中学生公演と同時上演。マスコミ各社による特集やドキュメンタリーが制作された。

【上演歴】
2009.08 渡辺源四郎商店プロデュース公演/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2009.10 青森市立横内中学校学校祭公演/横内中学校体育館<青森>


ジテンシャのジコについて[じてんしゃのじこについて]

【あらすじ】
「私」が高校3年生のときに経験した自転車事故について語る。雨の日に自転車を運転中、三輪自転車と衝突し、運転する72歳の女性に怪我を負わせてしまうのである。

【解説】
第20回東青地区高校生交通事故防止大会にて上演。畑澤が初めて書き下ろした交通安全啓蒙劇。自転車に乗った3人の女優により、交通事故加害者の後悔が描かれる。

【上演歴】
2009.09 第20回東青地区高校生交通事故防止大会/青森市民ホール<青森>



みなぎる血潮はらっせらー[みなぎるちしおはらっせらー]

【あらすじ】
父よ!守るべきは家庭か、青森の平和か。妻を持ち、子を持つ男にとって「家族を守る」とはどういうことなのか。畑澤自身の筆による歴史的人気ラジオドラマ「県立戦隊アオモレンジャー」をモチーフに、現代日本の家庭が失って久しい「男らしい父親像」が、今、浮かび上がる。

【解説】
なべげんが畑澤自身を初めて主役に据えて描く家庭劇。3人芝居であるが、りんご組、ほたて組、にんにく組の3バージョンが制作される予定。

【上演歴】
2009.12 渡辺源四郎商店第11回公演/アトリエ・グリーンパーク<青森>
2010.02 渡辺源四郎商店第11回公演/四国学院大学ノトススタジオ <高松>
2010.06 渡辺源四郎商店の蔵出し芝居 その壱/津軽黒石こみせ駅 音蔵こみせん<青森>