渡辺源四郎商店第28回公演 『ハイサイせば〜Hello-Goodbye〜』
<東京公演>2018年1月6日(土)~8日(月・祝)こまばアゴラ劇場
<青森公演>2018年1月21日(日)~24日(水)渡辺源四郎商店しんまち本店2階稽古場
<沖縄公演>2018年2月10日(土)~12日(月・振替休)アトリエ銘苅ベース
【あらすじ】
第二次世界大戦末期、日本の外務省と在独大使館の間で、乱数表を用いた暗号電報の代わりに早口の薩摩弁で国際電話をかける方法が採択された。大胆なその手法は功を奏したかに見えたが、アメリカ軍に盗聴、解読される。次の手を打つため、琉球語を話す男と津軽弁を話す男が、密かに軍に呼ばれた・・・。
青森で泡盛で
畑澤聖悟(渡辺源四郎商店店主)
2016年2月、一般社団法人「おきなわ芸術文化の箱」からオファーがあった。沖縄から地域外に持っていける作品を作るプロジェクトに関して沖縄の演劇人と一緒にいろいろ考えてもらえないか?とのこと。やった、沖縄だ。私なんぞでよかったらぜひぜひ、と、二つ返事で引き受けた。
訪問の1回目(9月下旬)は二本の初級戯曲講座を立て続けに行い、上演の候補戯曲数本について検討。夜はもちろん宴会の4日間。2回目の訪問は11月下旬。メールのやりとりで添削を重ねてきた戯曲「いっとーばい」の最終検討を行う。作者の安和学治氏は劇艶おとな団の座付き作家である。「いっとーばい」は沖縄口で「一番先に逃げた奴」という意味。太平洋戦争末期、アメリカが上陸する直前、沖縄を見捨てて逃亡した官選県知事の物語である。オーディションで22名を選び、稽古開始。私は監修の立場で演出プランを提案させていただいた。1月は2回に渡り合計6日間沖縄に滞在。高校生ワークショップなど複数の講座と並行して稽古を進め、1月28日15時より浦添市の宮城公民館にて「いっとーばい」試演会とシンポジウムを行った。定員100名の予定が150名を超える盛況。終演後は那覇の稽古場で青森から持ち込んだ亀吉(日本酒)で乾杯した。
どんなに見事に地域を描いても、優れた作品でなければ地域の外で上演されることはない。東京の演劇人が良い作品と考えるものと、地域で活動する演劇人が創る良い作品とは違うはずだ。そんな意味で青森の演劇人である私が沖縄発の芝居作りに関われたことは大きな喜びであり、そして、自らの今までとこれからを考える機会となった。
おきなわ芸術文化の箱は今年の7月、那覇市銘苅(めかる)のアトリエ銘苅ベースを民間の小劇場としてオープンさせた。着々と歩を進めている。仲間だが負けてはいられない。対抗意識を燃やしつつ、一緒に面白いことをやり続けたいと思っていた矢先、今回の合同公演となった。やはりつくづく縁とは続くものだ。がっちりとタッグを組み、そして終演後はがっつりと酒を酌み交わしたい。今度は青森で泡盛で乾杯なんて素敵じゃないの。
▼スタッフ
作・演出:畑澤聖悟
ドラマターグ・演出補:工藤千夏
音響:藤平美保子
照明:中島俊嗣
舞台美術:山下昇平
舞台監督:中西隆雄
宣伝美術:工藤規雄、渡辺佳奈子
プロデュース:佐藤誠(渡辺源四郎商店)、安和朝彦((一社)おきなわ芸術文化の箱)
制作:秋庭里美、佐藤宏之、野倉匡泰、木村知子
演出助手:山上由美子、末安寛子
【主催】 渡辺源四郎商店、なべげんわーく合同会社
【企画制作】 なべげんわーく合同会社
【提携】劇艶おとな団、(一社)おきなわ芸術文化の箱
【東京公演提携】(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【助成】独立行政法人日本芸術文化振興会
【協力】 東光不動産 青森演劇鑑賞協会(一社)弘前芸術鑑賞会 青年団 アール・キュー Griffe Inc.
山北舞台音響 ステージ・ライティング・スタッフ NPO法人アートコアあおもり ジパング
シバイエンジン
◆東京公演詳細◆
◆沖縄公演詳細◆
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